ものづくりワールド東京を視察して
去る7/10に幕張メッセで開催されていたものづくりワールドに行ってきた。
目的は今のものづくりのトレンドを感じる事と、請け負っている仕事案件に関する会社探し。
様々な展示会が併催されている中で、視察の中心は機械要素技術展と次世代3Dプリンター展である。
3日間の会期の中日のせいか、午前中から人出が多く、狭い通路を人をよけながら歩かないといけないほど。個々の企業、地域エリア、国ごとのエリアなどに分かれていたが、目立ったのは中国企業の出展だった。基本的な機械加工を行う企業が多かったが、感覚的には台湾を含めて全体の2割くらいは占めていた気がする。各ブースで話を聞くことはしなかったが、おそらく同程度の加工が日本でやるより割安なのだと想像する。どの程度のものづくりが可能なのか、本来は調べた方が良いのだろうが、かかる労力を想像したら敬遠してしまった。
前のひとりごとにも書いたが、過去の日本のものづくりは現場の職人のこだわりとプライドで成立していたと思っているが、今の日本ではその点は全く重視されず、とりあえず機能するものを出来るだけ安く成立させることが正義となっている。この観点では図面上の品質を満たせば、安く提供してくれるところから購入することになるだろうし、中国やアジア圏の新興国での生産は今後さらに増えて、相対的に日本でのものづくりは減少する一方であろう。
整備士業界、介護業界などと並び、製造業、特に中小企業における若手人材の不足は今後さらに日本のものづくり力低下を示唆している。もう個々の企業努力ではどうにもならない状況であり、国としての存在価値をどこに見出していくのか、政治の舵取りの行方にも注目していきたい。