問題解決の流れ(1)
ものづくりに限らず、公私含め様々な問題、課題はどこにでもあるが、その問題、課題をどうやってクリアするか、その手順はだいたい同じであると思っている。
ほとんどの人はその解決手法を知っていると思うが、自分の考え方の整理・明確化を含め、書いてみたい。
ビジネスマンであれば、会社生活で一度は習う(聞いたことがある)であろう手順として
1.現状把握
2.原因分析
3.対策案検討(P)
4.対策実施(D)
5.対策結果(C)
6.効果の検証(A)
PDCAというワードはよく使われているが、私が一番重要だと考えるのは、やはり現状把握とそれを基にした原因分析である。
正しく現状を把握するとはどういうことか。ある製品、機能、性能など、表に見えているものは、それを構成する要素の積み重ねの結果といえる。例えば工作機械で刃物(工具)を使用した切削であれば、構成要素は機械、工具、加工条件、環境などが関係している。さらにこれを細分化して落とし込むと、機械であれば、主軸、ベッド、スライド機構、駆動機構・・・、工具であればチップ、ホルダー・・・といった具合に関わる項目を明確にすることができる。これら、構成する項目を要素(因子)といい、その要素(因子)がどのように設定されているか、を水準と呼ぶ。
これも聞いたことがある人は多いと思うが、新しい事を試すために用いる手法として実験計画法というものがある。この方法は要素(因子)と水準の組み合わせで条件を設定し、その結果から要素(因子)と水準の最適な組み合わせを見出す。この時、最も重要な事は、条件を構成する要素(因子)と水準が正しいかどうか、であると思う。入力値としての条件が間違っていれば、答えとして出てくる出力値も本来求めるものとは違う事になる。
なので、現状把握をする際に、数多くの要素(因子)をできるだけ網羅し、それがどのように設定されているか(水準がどうか)を見極める事が最も重要であると考えている。
(続く)